Lewis Carroll: Q&A Board
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タイトル Re^9: 『不思議の国』テクストの異同について
投稿日: 2004/01/04(Sun) 00:27
投稿者木下信一 < >
参照先http://www.hp-alice.com/

> すると現在流布しているテクストは、最初に出版されたとおりの形式でないものが多いということですね、「ファンタズマゴリア」に関する限り。

と、一概にもいえないのですよ。初出ではまさにそうで、それゆえ先の発言には書かなかったのですが、Phantasmagoriaそのものは、後にRhyme? and Reason? に再録され、このときには最初の一語すべてが大文字になっています。

> それに同じ長詩であっても「ファンタズマゴリア」と『スナーク狩り』とでは、やや形式が異なるということにもなる(これは少し興味を引く事実ですね)。

ですので、Rhyme? and Reason? では(これには「スナーク狩り」も収録されています)、同じ扱いになるわけです。
ちなみに、この時収録された「スナーク狩り」は初出とは本文に若干の異同があるらしいのですが(それも、Rhyme? and Reason? の版によって)、これまでは調べていませんし、Lewis Carroll Handbookにも詳細は載っていません。さすがにいちいち調べるだけのエネルギーは今のところありませんが。


> キャロルの「1896年クリスマス」の前書きは、載せてるテクスト自体少ないけれども、グリーン編集のオックスフォード版ではやっぱりnevarをneverと直してますよね。これは最初のオックスフォード版が1971年発行で、ペーパーバックになったのも1982年であることを考えれば、まぁ仕方がないんだけれども、問題はグリーンが「9版後刷り」を底本にしたかどうか、でしょう。

単純にグリーンが「誤植」と素直に信じただけではないでしょうか? 実際、グリーンも編集に参加したLewis Carrll Handbookにはこの'nevar'の件は載っていません。矛盾を生じない限り、なにも必要以上に物事を複雑に考える必要はないと思いますよ。

> ところで、ガードナー版とグリーン版の比較ですが、
> 8章、庭師の「Five」が女王様のお出ましに驚いて、“The Queen! The Queen!”と叫ぶ場面で、The Queen!”のあと、オックスフォード版とペンギン・クラシックスにはカンマがあるけれど、ガードナー版には無い。これは、前例どおり、ガードナー版の単なる“抜け”かな、と思ったんだけれども…。

97年版も、コンマがありますね。

> 女王が雷声で「位置に着け!」と叫ぶ場面、
>  “Get to your places!”shouted the Queen in a voice of thunder;
> 最後がセミコロンなのはガードナー版だけで、オックスフォード版とペンギン・クラシックスはカンマ。
> その少し後、
> however;they got settled down in a minute or two,and the game began.
> このセミコロンもガードナー版だけで、オックスフォード版とペンギン・クラシックスはカンマ。

97年版ではどっちもコンマですね。

> ところが9章、公爵夫人の前に女王が立ちはだかっていたという場面。「ブタだって空をとんでいいってのと同じだね。で、その、教(訓は)」、
>  “Just about as much right,”said the Duchess,“as pigs have to fly; and the m--”
> こっちのセミコロンは、逆にオックスフォード版とペンギン・クラシックスにあって、ガードナー版には無い。

こちらはセミコロンですね。

> 同じ章、Tortoiseとtaught usの洒落の少しあと、グリフォンの台詞 「日が暮れちまうぜ!」
> Don't be all day about it!”,and
> ここのカンマは、例によってガードナー版だけに無いんですが、これだけ食い違ってくると、食い違うだけの理由があるはずだ、と思わざるをえない。

ところが、ここにはあるんですよね。

> つまり、ガードナー版だけ、ちょっと特殊なんですね。
> しかし、それが何故か? となると… お知恵を拝借したいのですが。

判らない、としか言いようがありません。想像だけならグリーンがイギリス人、ペンギンがイギリスの会社、ガードナー本人はアメリカ人、という解釈も考えられますが、底本が違うということも考えられますしね。とはいえ、わざわざ底本探しをするほどのエネルギーもなく、というところでして。
お役に立てなくて申し訳ありません。


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