Lewis Carroll: Q&A Board
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タイトル Re^2: 『不思議の国』テクストの異同について
投稿日: 2003/12/29(Mon) 00:23
投稿者書生 < >

さっそくの回答、ありがとうございます。
確かにどんなテクストにも誤記は含まれるわけで、私もNo.39の記事では「コウモリはネコを食べるか?」を「ネズミを食べるか?」だの書いてるし(笑) こんなポカをやる人間が、あんまり厳密な校訂なんて作業は不可能だろうから、初版・二版、その後のバージョンの異同みたいなことはホントのところ蒐集家の方にお任せしたい、というか自分自身でやることは避けたい(笑)のですが、ただ最終形がどうなのか、という点。いくつかある疑問な部分については、この掲示板で木下さんと会話できれば、かなりの程度、解消するんじゃないかとも思うわけです。
前の記事ではグリーンもガードナーも信用できない、みたいなことを書きましたが、この2つのテクストの間の差は微細なものなんですね。
No.39の記事で「具体例」というのをあげましたが、たぶん『不思議の国』前半の章で、カンマとピリオドが食い違うのはこの3箇所くらいです。見落としもあるかも知れないし、後半の章は確認途中ですが。
コロン、セミコロンとかは見事に一致している。
グリーンのオックスフォード版は、英国流に、引用符をコーテーションの中にダブル・コーテーションという形にしていますから(キャロルはもともとダブル・コーテーションの中にコーテーションという形で書いてますよね?)、見た感じはガードナー版と大きく異なりますが、それを除けば、ほとんど同一のテクストです。だから初版やいくつかのバージョンとの異同とかを気にしなければ、最終形を「決定」するための方針を立てるのはそんなに難しくないんじゃないかと素人考えに思ったりもして。
もちろんガードナーにもグリーンにも編集方針のようなものがあって、ガードナーなら2章はじめのほう、白ウサギがアリスに声をかけられ驚いて手袋も扇子も落として逃げる場面に使われる skurriedという動詞を scurriedと「修正」している。ということはキャロルの誤記と解釈したんでしょうが、グリーン他たいていのテクストでは skurriedですね。おそらくキャロルの「書き癖」くらいに考えたわけだ。Alice's Adventures under Groundでも skurriedだし、もし初版でも最終形でも skurriedなら、「修正」する必要はないだろうとも思いますね。ca'n'tをcan'tと表記するようなテクストなら、 scurriedに変えたほうが読みやすくていいけれども。でもまぁ scurriedに書き換えるということも、これはこれでひとつの方針でしょう。
グリーン版の特徴としては、tomorrowを to-morrow、todayを to-dayと表記するというのがあります〔ペンギン・クラシックス他でも同様ですが〕。
これもキャロルの「書き癖」だろうと思うんですが、たいていのテクストはふつうの表記に直してますね。
to-morrowが出てくるのはカエルの従僕が「明日まではここに座ってるよ」と言う部分ですが、最終形でもハイフンが入ってるかどうか、というのを木下さんにお訊きしたいんです。
私はグッデイカーの本も国際児童文学館にたまに行ったとき、パラパラッと見るくらいで、自ら原典に手を出そうなんてしようものなら、何十年先になるやら見当もつかないので(笑)


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